介護職員等処遇改善加算とは?仕組み・算定要件・申請の流れをわかりやすく解説【令和8年度】

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制度の基礎知識から算定要件・申請方法まで、 関連する用語や制度を体系的にわかりやすくまとめています。

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介護職員等処遇改善加算とは、一定の要件を満たした介護サービス事業所が介護報酬に上乗せして受け取る加算です。

事業所は、受け取った加算額を職員の賃金改善などに充て、処遇改善計画書や実績報告書を提出する必要があります。

このページでは、介護職員等処遇改善加算の意味、制度の仕組み、主な算定要件、申請から実績報告までの流れを解説します。

介護職員等処遇改善加算の基本情報

正式名称介護職員等処遇改善加算
一般的な呼び方処遇改善加算
制度の分類介護報酬上の加算
主な目的職員の賃金改善、人材確保、職場環境改善
主な手続き処遇改善計画書・実績報告書などの提出
所管厚生労働省
このページの制度基準令和8年度
最終確認日2026年7月30日

30秒でわかる処遇改善加算

介護職員等処遇改善加算は、介護職員等の賃金改善や職場環境改善を進める事業所に対して、介護報酬を上乗せする制度です。

加算を取得する事業所は、キャリアパス、昇給の仕組み、職場環境改善などの要件を満たし、加算額に応じた賃金改善を実施します。

算定前には処遇改善計画書を提出し、算定後には実際にどのような賃金改善を行ったかを実績報告書で報告します。

介護職員等処遇改善加算とは

介護職員等処遇改善加算とは、介護分野で働く職員の賃金や労働環境を改善するために設けられている介護報酬上の加算です。

介護サービス事業所が所定の要件を満たし、行政へ必要な届出を行うことで、通常の介護報酬に一定の加算率を上乗せして請求できます。

ただし、加算は事業所の自由な利益として受け取るものではありません。

事業所は、受け取った加算額をもとに職員の賃金改善を実施し、その内容を計画書や実績報告書によって説明できる状態にしておく必要があります。

処遇改善加算の目的

処遇改善加算の主な目的は、介護分野で働く職員の処遇を改善し、人材の確保と定着につなげることです。

具体的には、次のような目的があります。

  • 介護職員等の賃金を改善する
  • 介護人材の確保と定着を進める
  • 職員が将来のキャリアを描ける仕組みを整える
  • 資格や経験に応じた昇給制度を整える
  • 職場環境や労働環境を改善する
  • 介護現場の生産性向上を進める

単に一時金や賞与を支給するだけではなく、職員が長く働き続けられる賃金制度や職場環境をつくることが制度の重要な目的です。

処遇改善加算の仕組み

処遇改善加算は、介護サービスの利用者へ提供したサービスの報酬に、サービス種別や取得区分に応じた加算率を乗じて算定します。

  1. 事業所が介護サービスを提供する
  2. 介護報酬を請求する
  3. 処遇改善加算が介護報酬に上乗せされる
  4. 事業所が加算額を受け取る
  5. 職員の賃金改善などを実施する
  6. 実績報告書を行政へ提出する

加算率は、事業所が提供する介護サービスの種類と取得する加算区分によって異なります。

そのため、同じ加算区分であっても、訪問介護、通所介護、特別養護老人ホームなど、サービス種別によって実際の加算率は異なります。

令和8年度の主な変更点

令和8年6月から、介護職員等処遇改善加算はさらに拡充されました。

従来から処遇改善加算の対象となっていた介護サービスに加え、令和8年度からは次のサービスについても、新たな処遇改善加算の仕組みが設けられています。

  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅介護支援
  • 介護予防支援

また、上位区分の取得に向けて、生産性向上、ケアプランデータ連携システム、職場環境改善などの取組がより重視されています。

注意
令和8年5月以前と令和8年6月以降では、加算区分や対象サービス、算定要件が異なる場合があります。算定時期に応じて適用される通知や様式を確認してください。

処遇改善加算の区分

令和8年6月以降の処遇改善加算には、事業所の体制や取組状況に応じた複数の区分があります。

  • 介護職員等処遇改善加算Ⅰイ
  • 介護職員等処遇改善加算Ⅰロ
  • 介護職員等処遇改善加算Ⅱイ
  • 介護職員等処遇改善加算Ⅱロ
  • 介護職員等処遇改善加算Ⅲ
  • 介護職員等処遇改善加算Ⅳ

原則として、上位区分ほど加算率が高くなる一方で、求められる要件も多くなります。

ただし、すべてのサービスで同じ区分が適用されるわけではありません。訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援、介護予防支援などには、別に定められた取得要件があります。

各区分の詳しい違いについては、関連Wiki「処遇改善加算の算定要件」で解説します。

処遇改善加算の主な算定要件

処遇改善加算を取得するためには、取得する区分に応じて複数の要件を満たす必要があります。

キャリアパス要件

職員の職位、職責、職務内容に応じた任用要件や賃金体系、研修、昇給の仕組みなどを整備する要件です。

取得する加算区分によって、求められるキャリアパス要件の範囲が異なります。

月額賃金改善要件

加算による賃金改善のうち、一定額を基本給や毎月支払われる手当などの改善に充てるための要件です。

一時金や賞与だけで賃金改善を行えばよいとは限らないため、賃金改善の方法をあらかじめ確認する必要があります。

職場環境等要件

入職促進、人材育成、両立支援、健康管理、生産性向上、やりがいの醸成など、介護職員が働きやすい職場をつくるための取組を行う要件です。

令和8年度の制度では、28項目の取組のうち、取得区分に応じた一定数以上の取組を実施する必要があります。

経験・技能のある介護職員に関する要件

上位区分では、経験や技能を有する介護職員を一定割合以上配置していることや、改善後の賃金年額が一定額以上となる職員を配置することなどが求められます。

生産性向上等に関する要件

令和8年度は、ケアプランデータ連携システムの利用、生産性向上推進体制加算の取得、社会福祉連携推進法人への所属などが、一定の加算区分に関係します。

適用される要件はサービス種別によって異なるため、自事業所に該当する要件を確認する必要があります。

処遇改善加算は誰に配分できるのか

処遇改善加算は、事業所内の職員へ柔軟に配分することができます。

そのため、「介護職員にしか配分できない」とは限りません。

事業所の実情に応じて、介護職員以外の職種を賃金改善の対象とすることもできます。

ただし、職員への配分方法は完全に自由という意味ではありません。加算の趣旨、事業所内の職員構成、賃金改善計画、就業規則や賃金規程などとの整合性を考える必要があります。

対象職員や配分方法の詳しい考え方については、関連Wiki「処遇改善加算の配分ルール」で解説します。

申請から実績報告までの流れ

処遇改善加算を取得する場合は、計画を提出して終わりではありません。

加算の算定期間を通じて賃金改善を実施し、算定後には実績を報告する必要があります。

  1. 算定要件を確認する
    自事業所が取得できる加算区分と必要な要件を確認します。
  2. 賃金改善の方法を決める
    基本給、手当、賞与など、どのような方法で職員へ配分するかを決めます。
  3. 処遇改善計画書を作成する
    取得区分、見込まれる加算額、賃金改善の内容、職場環境改善の取組などを記載します。
  4. 行政へ必要書類を提出する
    指定権者などへ、定められた期限までに計画書や体制届を提出します。
  5. 加算を算定・請求する
    介護報酬の請求時に処遇改善加算を算定します。
  6. 職員の賃金改善を実施する
    提出した計画に基づいて賃金改善を行います。
  7. 実績報告書を提出する
    算定期間終了後、実際に受け取った加算額と賃金改善額などを報告します。

事業所が注意すべきポイント

  • 算定する加算区分の要件を正しく確認する
  • 処遇改善計画書を期限までに提出する
  • 加算額に応じた賃金改善を確実に実施する
  • 計画書と実際の賃金改善内容を一致させる
  • 職員に賃金改善の内容を周知する
  • 就業規則や賃金規程との整合性を確認する
  • 給与台帳や賃金改善の根拠資料を保存する
  • 事業所や取得区分に変更があった場合は必要な届出を行う
  • 算定後は実績報告書を期限までに提出する

計画書を提出していても、実際の賃金改善が不足している場合や、算定要件を満たしていない場合には、加算の返還が必要になる可能性があります。

よくある質問

処遇改善加算は必ず取得しなければなりませんか?

処遇改善加算の取得は、すべての事業所に義務付けられているわけではありません。

ただし、職員の賃金改善や人材確保につながる制度であるため、要件を満たせる事業所は取得を検討する価値があります。

加算額はすべて職員へ支給する必要がありますか?

事業所は、制度上求められる賃金改善額を満たす必要があります。

実際に受け取った加算額と賃金改善額を適切に管理し、実績報告書で説明できる状態にしておく必要があります。

介護職員以外にも配分できますか?

事業所内の職員へ柔軟に配分することができます。

ただし、加算の趣旨や事業所の職員構成を踏まえ、合理的な配分ルールを定めることが重要です。

処遇改善計画書を提出すれば加算を取得できますか?

計画書の提出だけでは不十分です。

取得区分ごとの算定要件を満たし、必要に応じて介護給付費算定に係る体制等に関する届出を行い、計画どおりに賃金改善を実施する必要があります。

実績報告書を提出しないとどうなりますか?

実績報告書は、加算額が適切に賃金改善へ使用されたことを報告する重要な書類です。

未提出や内容の不備がある場合、指定権者から確認や修正を求められたり、状況によっては加算の返還が必要になったりする可能性があります。

関連Wiki

  • 処遇改善加算の算定要件
  • キャリアパス要件
  • 月額賃金改善要件
  • 職場環境等要件
  • 処遇改善加算の配分ルール
  • 処遇改善計画書
  • 処遇改善実績報告書
  • 処遇改善加算の返還
  • 介護事業所の運営指導

関連する実務記事

公式資料・参考情報

情報更新について
介護職員等処遇改善加算は、介護報酬改定や厚生労働省通知、Q&Aの追加などによって取扱いが変更される場合があります。実際に申請・算定する際は、厚生労働省および指定権者の最新情報をご確認ください。

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