ケアマネジャーとは、介護を必要とする人や家族から相談を受け、必要な介護サービスや支援を組み合わせる専門職です。
正式名称は「介護支援専門員」といい、ケアプランの作成だけでなく、利用者の状態把握、サービス事業者との連絡調整、定期的な見直しなどを行います。
この記事では、ケアマネジャーの役割、仕事内容、資格の取得方法、居宅と施設の違い、主任ケアマネジャーとの違い、令和8年の制度改正までわかりやすく解説します。
この記事の要点
- ケアマネジャーの正式名称は「介護支援専門員」
- 利用者の希望や状態を確認し、必要な支援を調整する
- ケアプラン作成は仕事内容の一部であり、継続的な確認や調整も行う
- 居宅、施設、地域包括支援センターなどで役割が異なる
- 資格取得には実務経験、試験、実務研修、登録などが必要
- 令和8年の法改正で更新制の廃止が決まったが、現時点では施行前
目次
- ケアマネジャーとは
- ケアマネジャーの役割
- ケアマネジャーの主な仕事内容
- ケアマネジメントの流れ
- 勤務先による役割の違い
- ケアプランとは
- 介護事業者との関係
- ケアマネジャーになる方法
- 主任ケアマネジャーとの違い
- 令和8年改正と更新制の廃止
- 介護事業者の確認表
- よくある質問
ケアマネジャーとは
ケアマネジャーとは、介護保険制度における「介護支援専門員」の一般的な呼び方です。「ケアマネ」と略されることもあります。
介護保険法では、介護支援専門員を、要介護者や要支援者からの相談に応じ、心身の状況などに応じて適切なサービスを利用できるよう、市区町村、介護事業者、施設などとの連絡調整を行う者と位置付けています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 介護支援専門員 |
| 一般的な呼び方 | ケアマネジャー、ケアマネ |
| 主な対象者 | 要介護者、要支援者、その家族 |
| 主な役割 | 相談支援、ケアプラン作成、連絡調整、状態確認、計画の見直し |
| 主な勤務先 | 居宅介護支援事業所、介護施設、地域包括支援センターなど |
ケアマネジャーと介護支援専門員は同じ資格です
「ケアマネジャー」は通称であり、法律や行政文書では主に「介護支援専門員」と表記されます。別の資格ではありません。
ケアマネジャーの役割
ケアマネジャーの基本的な役割は、利用者が可能な限り自立した日常生活を送れるよう、本人の希望や状態に合った支援を調整することです。
単に利用できる介護サービスを紹介するのではなく、利用者の生活全体を確認し、必要な支援を組み合わせます。
主な役割は次のとおりです。
- 利用者や家族から相談を受ける
- 本人の心身の状態や生活環境を把握する
- 本人と家族の希望を確認する
- 生活上の課題を整理する
- 必要な介護サービスや地域の支援を検討する
- ケアプランを作成する
- 介護事業者や医療機関などと連絡調整する
- サービスの実施状況や利用者の変化を確認する
- 必要に応じてケアプランを見直す
利用者に代わってすべての問題を解決する役割ではありません
ケアマネジャーは、利用者の生活を支えるための相談、計画作成、連絡調整を行います。一方で、家事代行、金銭管理、身元保証、私物の購入、日常的な送迎などは、本来のケアマネジメント業務に含まれない場合があります。
介護保険外の問題については、市区町村、地域包括支援センター、医療機関、権利擁護機関など、適切な支援先につなぐことが重要です。
ケアマネジャーの主な仕事内容
相談受付
利用者や家族から、介護サービス、在宅生活、施設入所、認知症、医療との連携などに関する相談を受けます。
相談時には、本人がどのような生活を希望しているか、家族がどのような問題を抱えているかを確認します。
アセスメント
アセスメントとは、利用者の状態や生活環境を把握し、必要な支援を整理することです。
主に次の内容を確認します。
- 身体機能と健康状態
- 認知機能や精神状態
- 食事、排泄、入浴、移動などの日常生活
- 服薬や通院の状況
- 住環境
- 家族構成と介護力
- 本人と家族の希望
- 地域との関わり
- 現在利用しているサービス
- 生活上の危険や緊急性
ケアプランの作成
アセスメントで確認した内容を基に、生活上の課題、目標、利用するサービス、支援内容などを記載したケアプランを作成します。
ケアプランは、ケアマネジャーだけで決めるものではありません。利用者と家族の希望を確認し、同意を得たうえで作成します。
サービス担当者会議
ケアプランの内容を検討するため、利用者、家族、介護事業者、医療関係者などによるサービス担当者会議を開きます。
会議では、利用者の状態、支援目標、それぞれの事業者の役割、注意事項などを共有します。
介護事業者などとの連絡調整
訪問介護、通所介護、訪問看護、福祉用具貸与などの事業者と連絡を取り、サービスの開始日、回数、内容などを調整します。
必要に応じて、主治医、薬剤師、歯科医師、行政機関、地域包括支援センターなどとも連携します。
モニタリング
モニタリングとは、ケアプランに沿ってサービスが提供されているか、目標に向けて状況が変化しているかを継続的に確認することです。
主に次の点を確認します。
- 利用者の心身の状態に変化がないか
- 本人と家族の希望に変化がないか
- サービスが計画どおり提供されているか
- 支援目標に対する進み具合
- サービス内容や回数の変更が必要か
- 新たな生活上の問題が発生していないか
給付管理
居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、利用予定のサービスと実際に提供されたサービスを確認し、給付管理票を作成します。
給付管理票の内容に誤りがあると、サービス事業者の介護報酬請求に影響する可能性があります。そのため、サービス事業者との正確な実績確認が必要です。
要介護認定に関する支援
ケアマネジャーは、要介護認定の新規申請、更新申請、区分変更申請について相談を受けることがあります。
市区町村から委託を受け、認定調査を行う場合もあります。
ケアマネジメントの流れ
- 利用者や家族から相談を受ける
- 契約と重要事項の説明を行う
- 利用者宅などを訪問する
- アセスメントを行う
- 生活上の課題と支援目標を整理する
- ケアプランの原案を作成する
- サービス担当者会議を開く
- 利用者または家族へ説明し、同意を得る
- ケアプランを交付する
- 介護サービスの利用を開始する
- モニタリングを行う
- 必要に応じてケアプランを見直す
ケアプランを作成したら終了ではありません
利用者の状態や生活環境は変化します。ケアマネジャーは、サービス開始後も状況を確認し、必要に応じてサービス内容や支援目標を見直します。
勤務先による役割の違い
ケアマネジャーは、勤務する事業所や施設によって担当する業務が異なります。
| 種類 | 主な勤務先 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 居宅ケアマネジャー | 居宅介護支援事業所 | 自宅で生活する要介護者のケアプラン作成、事業者との調整、給付管理など |
| 施設ケアマネジャー | 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院など | 施設入所者の施設サービス計画の作成、多職種との調整など |
| 介護予防支援の担当者 | 地域包括支援センター、指定介護予防支援事業所など | 要支援者の介護予防ケアプラン作成、状態悪化の予防など |
| 計画作成担当者 | グループホーム、小規模多機能型居宅介護、特定施設など | サービスの特徴に応じた計画作成と関係者間の調整 |
居宅ケアマネジャー
居宅ケアマネジャーは、自宅で生活する要介護者を担当します。
複数の介護事業者や医療機関と連携し、利用者の生活全体を支えるための居宅サービス計画を作成します。
施設ケアマネジャー
施設ケアマネジャーは、施設に入所している利用者の施設サービス計画を作成します。
介護職員、看護職員、医師、リハビリ職、管理栄養士、生活相談員など、施設内の職員との連携が中心になります。
地域包括支援センターなどの担当者
要支援1・2の人や事業対象者などに対して、介護予防と自立支援を目的としたケアマネジメントを行います。
地域包括支援センターが、居宅介護支援事業所などへ一部の業務を委託する場合もあります。
ケアプランとは
ケアプランとは、利用者がどのような生活を目指し、そのためにどのような支援を利用するかを整理した計画です。
居宅サービス計画では、主に次の内容を整理します。
- 利用者と家族の生活に対する意向
- 生活全般について解決すべき課題
- 総合的な援助方針
- 長期目標と短期目標
- 利用するサービスの内容
- サービスを提供する事業者
- 利用する頻度と期間
ケアプランに記載されていれば、すべて算定できるわけではありません
ケアプランへの位置付けと、介護報酬の算定要件は別に確認する必要があります。サービス事業者は、告示、留意事項通知、Q&A、自治体の取扱いなどを確認してください。
ケアマネジャーと介護事業者の関係
ケアマネジャーと介護事業者は、利用者の生活目標を共有し、それぞれの役割に基づいて支援します。
介護事業者には、主に次の対応が求められます。
- サービス開始前に必要な情報を確認する
- ケアプランの内容を確認する
- ケアプランに沿って個別援助計画を作成する
- 利用者または家族へ計画内容を説明する
- サービス提供記録を作成する
- 利用者の状態変化をケアマネジャーへ報告する
- サービス担当者会議へ参加する
- 計画の実施状況を報告する
- 提供実績を正確に共有する
- 事故や緊急事態が発生した場合に連絡する
個別援助計画との関係
訪問介護計画、通所介護計画、訪問看護計画などの個別援助計画は、原則としてケアプランの内容に沿って作成します。
ケアプランと個別援助計画の目標、サービス内容、頻度などが大きく食い違っている場合は、内容を確認し、必要に応じてケアマネジャーと調整する必要があります。
利用者の状態が変化した場合
入院、転倒、認知症症状の悪化、家族状況の変化などがあった場合は、ケアマネジャーへ速やかに情報を共有します。
状態変化を把握したまま報告せず、ケアプランと実際の支援内容が一致しない状態が続くと、適切なサービス提供や介護報酬の算定に影響する可能性があります。
ケアマネジャーになる方法
ケアマネジャーになるには、原則として一定の実務経験を満たしたうえで、都道府県が実施する介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を修了する必要があります。
- 対象となる資格や相談援助業務で実務経験を積む
- 介護支援専門員実務研修受講試験を受ける
- 試験に合格する
- 介護支援専門員実務研修を修了する
- 都道府県へ介護支援専門員として登録する
- 介護支援専門員証の交付を受ける
実務経験の基本要件
試験を受けるには、対象となる業務について、原則として通算5年以上かつ従事日数900日以上の実務経験が必要です。
対象となる主な資格には、次のようなものがあります。
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
- 歯科衛生士
- 栄養士
このほか、法令で定められた施設などにおける相談援助業務が対象になる場合があります。
勤務年数だけでは判断できません
職種、保有資格、業務内容、従事期間、従事日数によって受験資格の扱いが異なります。受験を予定している場合は、勤務先の都道府県ではなく、試験を実施する都道府県の最新案内を確認してください。
国家資格ではなく都道府県による資格
介護支援専門員は、介護保険法に基づいて都道府県が登録や介護支援専門員証の交付を行う資格です。
医師、看護師、介護福祉士などの国家資格とは、資格の管理方法が異なります。
主任ケアマネジャーとの違い
主任ケアマネジャーの正式名称は「主任介護支援専門員」です。
一定の実務経験などを満たし、主任介護支援専門員研修を修了したケアマネジャーで、地域や事業所における指導的な役割を担います。
| 比較項目 | ケアマネジャー | 主任ケアマネジャー |
|---|---|---|
| 正式名称 | 介護支援専門員 | 主任介護支援専門員 |
| 主な役割 | 利用者へのケアマネジメント | ケアマネジャーへの助言、支援、地域連携など |
| 取得方法 | 試験合格、実務研修、登録など | 要件を満たして主任介護支援専門員研修を修了 |
| 配置 | 居宅介護支援事業所や施設など | 地域包括支援センター、特定事業所加算を算定する事業所など |
主任ケアマネジャーには、主に次の役割が期待されます。
- 他のケアマネジャーへの助言や指導
- 難しい事例への支援
- 事例検討会や研修の実施
- 地域の医療・介護関係者との連携
- 地域課題の把握
- ケアマネジメントの質の向上
令和8年改正とケアマネジャー更新制の廃止
令和8年6月25日に「社会福祉法等の一部を改正する法律」が公布され、介護支援専門員証の更新制度を廃止することが決まりました。
改正前の制度では、介護支援専門員証の有効期間は原則5年間で、実務に従事するためには必要な研修を受講し、更新手続きを行う必要があります。
改正後は、研修受講を要件とする介護支援専門員証の更新の仕組みが廃止され、法定研修の仕組みも見直されます。
令和8年8月時点では、更新制廃止はまだ施行されていません
更新制廃止の施行日は、改正法の公布日から1年6か月以内に政令で定める日とされています。具体的な施行日や経過措置は、今後の政令、省令、通知などで確認する必要があります。
施行前は、現在の介護支援専門員証の有効期間と更新手続きを確認してください。
更新制廃止後も継続的な学習は必要
更新制が廃止されても、ケアマネジャーに必要な知識の習得や資質向上が不要になるわけではありません。
改正法では法定研修の見直しも予定されています。具体的な研修体系、受講対象者、事業所の対応方法については、今後発出される公式情報を確認する必要があります。
介護事業者の確認表
- □ 担当ケアマネジャーの氏名と所属先を確認している
- □ 最新のケアプランを受け取っている
- □ ケアプランの目標とサービス内容を確認した
- □ 個別援助計画がケアプランと整合している
- □ 利用者または家族へ個別援助計画を説明している
- □ サービス提供記録を作成している
- □ 利用者の状態変化をケアマネジャーへ報告している
- □ サービス担当者会議の内容を記録している
- □ 欠席した会議について照会内容と回答を保存している
- □ ケアプラン変更時に個別援助計画を見直している
- □ サービス提供実績を正確に報告している
- □ ケアプランと実際の提供内容に相違がないか確認している
- □ 事故や緊急時の連絡方法を共有している
- □ ケアマネジャーから受け取った書類を適切に保存している
- □ 更新制廃止の施行日と経過措置を確認している
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ケアマネジャーに関するよくある質問
Q1. ケアマネジャーと介護支援専門員は違いますか?
同じ資格です。介護支援専門員が正式名称で、ケアマネジャーやケアマネは一般的な呼び方です。
Q2. ケアマネジャーは何をする人ですか?
利用者や家族の相談を受け、状態や希望を確認し、ケアプランの作成、介護事業者との連絡調整、サービス利用後の確認などを行います。
Q3. ケアプランを作成するだけの仕事ですか?
ケアプラン作成だけではありません。アセスメント、サービス担当者会議、モニタリング、事業者との連絡調整、給付管理なども行います。
Q4. ケアマネジャーへ相談する費用はかかりますか?
居宅介護支援や介護予防支援におけるケアプラン作成については、原則として利用者の自己負担はありません。ただし、介護保険外の民間相談サービスなどは別に費用が発生する場合があります。
Q5. ケアマネジャーは自分で選べますか?
居宅介護支援では、利用者が居宅介護支援事業所や担当ケアマネジャーを選べます。変更を希望する場合は、現在の事業所、市区町村、地域包括支援センターなどへ相談できます。
Q6. ケアマネジャーを変更できますか?
変更できます。変更を希望する理由を現在の事業所へ伝えるか、別の居宅介護支援事業所、市区町村、地域包括支援センターへ相談します。
Q7. ケアマネジャーは介護サービスを提供しますか?
基本的な役割は相談支援と連絡調整です。訪問介護員のように、日常的な身体介護や生活援助を提供する職種ではありません。
Q8. 居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーの違いは何ですか?
居宅ケアマネジャーは主に自宅で生活する人を担当し、複数の事業者と調整します。施設ケアマネジャーは、施設入所者の計画を作成し、施設内の多職種と連携します。
Q9. 主任ケアマネジャーとは何ですか?
一定の要件を満たして研修を修了し、ほかのケアマネジャーへの助言、難しい事例への支援、地域連携などを担う介護支援専門員です。正式名称は主任介護支援専門員です。
Q10. ケアマネジャーの更新制度は廃止されましたか?
更新制を廃止する法律は令和8年6月に公布されましたが、令和8年8月時点では施行前です。施行日は公布日から1年6か月以内に政令で定められるため、それまでは現在の制度に沿った確認が必要です。
関連する介護Wiki
- 介護保険制度とは
- 介護報酬とは
- 介護事業所の指定基準とは
- 介護事業所の人員配置基準とは
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- モニタリングとは
- サービス担当者会議とは
- 居宅介護支援とは
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公式資料
- e-Gov法令検索「介護保険法」
- 厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」
- 厚生労働省「介護支援専門員資質向上事業実施要綱」
- 厚生労働省「ケアマネジメントに係る現状・課題」
- 厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について」
- 厚生労働省「令和8年7月15日 全国介護保険担当課長会議資料」
- 厚生労働省「介護保険最新情報」
最終更新:2026年8月
介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格、研修、登録、介護支援専門員証の手続きは、都道府県によって申込方法や必要書類などが異なります。実際に手続きを行う場合は、各都道府県の最新情報を確認してください。
令和8年6月公布の改正法による更新制廃止は施行前です。施行日、経過措置、新しい研修制度については、今後公布される政令、省令、通知などを確認してください。