この記事は2026年6月時点の情報に基づいています。制度改正により内容が変更される場合があります。最新情報は厚生労働省または所轄の自治体にご確認ください。
「計画書を初めて作成することになった」「何を書けばよいか分からない」という方も多くいらっしゃいます。
この記事では計画書の説明にとどまらず、「提出まで完了できること」を目的としています。書き方・必要書類・提出期限・チェックリストを順番に確認してください。
目次
この記事でわかること
- 処遇改善加算の計画書とは何か(1分で理解できる説明)
- 計画書提出までの流れ(ステップ形式)
- 必要書類の一覧
- 計画書の主な記入項目と書き方のポイント
- 提出期限の考え方(自治体によって異なる点も含む)
- 提出前チェックリスト(確認漏れを防ぐ)
- よくある質問(FAQ)7問
【この記事の結論】
- 処遇改善加算の計画書とは、加算の取得・算定開始に必要な申請書類です。算定する区分・配分ルール・取り組み内容を記載し、所轄の自治体へ提出します。
- 提出期限は自治体によって異なります。算定を開始したい月の前月末までに提出するケースが多いですが、必ず所轄自治体に確認してください。
- 計画書は提出して終わりではありません。記載内容に基づいて賃金改善を実施し、年度末に実績報告書を提出する義務があります。
- この記事のチェックリストを使って、提出前に漏れがないか確認してください。
処遇改善加算の計画書とは
処遇改善加算の計画書(正式名称:介護職員等処遇改善計画書)とは、介護職員等処遇改善加算を取得・算定するために、事業所が所轄の自治体へ提出する申請書類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 介護職員等処遇改善計画書 |
| 提出先 | 事業所が所在する都道府県または市区町村(指定権者) |
| 提出タイミング | 加算の算定を開始する月の前月末までが目安(自治体によって異なる) |
| 提出後の義務 | 計画書に基づいた賃金改善の実施・年度末の実績報告書提出 |
| 様式 | 厚生労働省または所轄自治体が定める様式を使用 |
計画書を提出しなければ加算を算定できません。また、提出した計画書の内容と実態が一致していない場合は、加算の返還を求められる可能性があります。正確な内容で作成することが重要です。
計画書提出までの流れ
STEP 1
算定する区分を決める
自事業所の要件充足状況を確認し、算定できる区分(加算Ⅰイ〜Ⅳ)を決定する。算定要件の詳細は▶算定要件の記事を参照。
↓
STEP 2
計画書の様式を入手する
厚生労働省または所轄自治体のウェブサイトから最新の様式をダウンロードする。令和8年度は制度改正があるため、必ず最新版を使用すること。
↓
STEP 3
計画書を作成する
算定区分・対象職員・配分ルール・職場環境等要件の取り組み内容等を記載する(詳細は後述)。
↓
STEP 4
添付書類を準備する
就業規則・賃金規程の写し、研修計画書など、自治体が求める添付書類を用意する(必要書類は自治体によって異なる)。
↓
STEP 5
職員への周知
計画書の内容(配分ルール・取り組み内容等)を職員に説明・周知する。周知した記録を残しておくことが求められる。
↓
STEP 6
提出期限を確認し、所轄自治体へ提出する
提出期限は自治体によって異なる。提出後は控えを必ず保管する。
↓
STEP 7
受理・算定開始
受理後、計画書に記載した内容に基づいて賃金改善を実施する。年度末には実績報告書の提出が必要。
💡 介護パートナー POINT
提出期限ギリギリに提出すると、自治体から記載内容の修正依頼が来た場合に対応できなくなるリスクがあります。提出期限の2〜3週間前を目標に作成・確認を終わらせ、余裕を持って提出することをお勧めします。初めて作成する場合は、所轄自治体の窓口に「事前相談」できる場合があります。迷ったら早めに問い合わせてみましょう。
必要書類一覧
計画書の提出に必要な書類は、所轄の自治体によって異なります。以下は一般的に求められることが多い書類の例です。必ず所轄自治体の案内を確認してください。
| 書類名 | 内容・注意点 | 必要度 |
|---|---|---|
| 介護職員等処遇改善計画書 | 最新の様式を使用すること。令和8年度は様式が変更されている場合があるため注意。 | 必須 |
| 就業規則・賃金規程の写し | キャリアパス要件Ⅰ(賃金体系の明記)の確認に使われる。最新版であること。 | 多くの自治体で必須 |
| 研修計画書 | キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施)の確認に使われる。実施予定の研修内容・日程を記載したもの。 | 自治体による |
| 体制等状況一覧表(体制届) | 加算の算定区分を届け出るための書類。計画書と同時または先に提出する場合がある。 | 必須 |
| 前年度実績報告書(変更届の場合) | 区分変更を行う場合に求められることがある。 | 自治体・状況による |
⚠️ 必要書類は自治体によって異なります。事前に所轄自治体のウェブサイトまたは窓口で確認することを強くお勧めします。
計画書の書き方(主な記入項目)
計画書の様式は自治体によって若干異なりますが、主な記入項目は共通しています。各項目の記入ポイントを解説します。
① 事業所情報
事業所名・事業所番号・所在地・サービス種別・代表者名等を記入します。事業所番号は指定通知書や国保連への請求情報で確認できます。複数の事業所をまとめて提出する場合は、事業所ごとに記入が必要な場合があります。
② 算定する加算区分
取得する区分(加算Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳのいずれか)を記入します。算定要件を確認した上で、自事業所が確実に満たせる区分を選択することが重要です。要件を満たしていない区分を選択した場合、返還リスクが生じます。
③ 賃金改善の方法・配分ルール
加算として受け取る額を職員にどのように配分するかを記載します。
- 配分方法:基本給・手当・賞与のいずれか、または組み合わせ
- 配分対象職員:対象となる職員の範囲(パート・非常勤を含むか等)
- 配分額の考え方:均等配分か、経験・職位等に応じた配分か
令和8年度からは令和7年度より増加した加算額についてはベースアップ(月額賃金)での還元が原則となっています(例外あり)。配分ルールを設計する際はこの点を踏まえてください。
④ キャリアパス要件の充足状況
算定する区分に応じて必要なキャリアパス要件(Ⅰ〜Ⅴ)の充足状況を記載します。就業規則・研修計画・昇給の仕組み等が整備されているかを確認してから記入します。
⑤ 職場環境等要件の取り組み内容
実施している取り組みの内容を記載します。6つのカテゴリ(入職促進・資質向上・両立支援・健康管理・生産性向上・やりがい醸成)から、算定区分に応じた必要数の取り組みを記載します。
⚠️ 計画書に記載した取り組みは、実際に実施していることが求められます。「記載したが実施していなかった」という場合は返還リスクがあります。実施できる取り組みのみを記載してください。
⑥ 職員への周知方法
計画書の内容(配分ルール・取り組み内容等)を職員にどのように周知したかを記載します。周知方法(全体ミーティング・掲示・個別説明等)と実施日を記録として残しておくことをお勧めします。
提出期限
計画書の提出期限は所轄の自治体によって異なります。一般的な目安を整理します。
| 算定開始のタイミング | 提出期限の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 年度当初(4月)から算定開始 | 前年度末(3月末)までが目安 | 自治体によっては2月末・3月15日等の場合あり |
| 年度途中から算定開始 | 算定開始月の前月末までが目安 | 年度途中からの算定が認められるか自治体に確認が必要 |
| 令和8年6月から新たに対象となったサービス(訪問看護等) | 所轄自治体の案内による | 令和8年度は特別な提出期限が設けられている場合あり |
| 区分変更(上位区分への移行等) | 変更する月の前月末までが目安 | 変更届が別途必要な場合がある |
⚠️ 提出期限を過ぎると、その月分からの算定ができなくなる場合があります。必ず所轄自治体に提出期限を事前に確認してください。令和8年度は制度改正に伴い、例年と異なる期限が設定されている場合があります。
提出前チェックリスト
提出前に以下の項目を確認してください。チェック漏れが返還リスクや算定ミスにつながります。
【計画書の内容確認】
| 確認項目 | チェック |
|---|---|
| 算定する加算区分は要件を確実に満たしているか | □ |
| 事業所情報(事業所番号・サービス種別等)に誤りはないか | □ |
| 配分ルールは令和8年度の制度(ベースアップ原則)に対応しているか | □ |
| 配分対象職員の範囲は適切か(パート・非常勤の扱いを含む) | □ |
| 職場環境等要件の取り組みは実際に実施できるものだけを記載しているか | □ |
| 様式は最新版(令和8年度対応版)を使用しているか | □ |
【添付書類の確認】
| 確認項目 | チェック |
|---|---|
| 就業規則・賃金規程の写しは最新版か | □ |
| 所轄自治体が求める添付書類をすべて揃えているか | □ |
| 体制届(体制等状況一覧表)の提出が必要か確認したか | □ |
【手続き・保管の確認】
| 確認項目 | チェック |
|---|---|
| 職員への周知を実施し、記録を残したか | □ |
| 所轄自治体の提出期限を確認したか | □ |
| 提出方法(郵送・持参・オンライン等)を確認したか | □ |
| 提出した計画書の控えを保管したか | □ |
※このチェックリストは確認の目安です。正式な提出要件は所轄の自治体にご確認ください。
チェックリストで「⚠️わからない項目がある」「計画書の作成に不安がある」場合は、お気軽にお問い合わせください。内容を確認し、必要に応じて処遇改善加算に詳しい社会保険労務士などの専門家をご紹介しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 計画書はいつ提出すればよいですか?
A. 提出期限は所轄の自治体によって異なります。年度や制度改正により特例が設けられる場合もあるため、必ず所轄自治体の案内をご確認ください。一般的には加算を算定したい月の前月末までが目安とされるケースが多いですが、これはあくまで参考であり、自治体ごとに定められた期限が優先されます。算定開始月の2〜3か月前を目標に準備を始め、余裕を持って提出することをお勧めします。
Q2. 計画書の様式はどこから入手できますか?
A. 厚生労働省のウェブサイトまたは所轄自治体のウェブサイトから入手できます。令和8年度は制度改正に伴い様式が変更されている場合があるため、必ず最新版を使用してください。旧様式では受理されない場合があります。
Q3. 計画書と一緒に提出する書類は何ですか?
A. 一般的に就業規則・賃金規程の写しと体制届(体制等状況一覧表)が必要になることが多いです。ただし必要書類は自治体によって異なるため、事前に所轄自治体に確認することをお勧めします。
Q4. 提出期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
A. 提出期限を過ぎた場合、その月分からの加算算定ができなくなる可能性があります。期限を過ぎた場合でも、まず所轄自治体に相談することをお勧めします。対応方法は自治体によって異なります。
Q5. 計画書の内容を途中で変更したい場合はどうすればよいですか?
A. 算定区分や配分方法を変更する場合は、変更届の提出が必要です。変更の内容・時期によって提出期限が異なるため、早めに所轄自治体に確認することをお勧めします。変更届を提出せずに実態と異なる内容で算定を続けた場合は返還リスクがあります。
Q6. 複数の事業所を運営している場合、計画書は一括で提出できますか?
A. 複数の事業所をまとめて提出できる場合とできない場合があります。また、事業所ごとに提出先(自治体)が異なる場合もあります。複数事業所を運営している場合は、各事業所の指定権者(都道府県または市区町村)に個別に確認することをお勧めします。
Q7. 計画書を提出した後、何をすればよいですか?
A. 計画書に記載した内容に基づいて、実際に職員への賃金改善を実施します。支給方法・金額・対象職員を記録として残しておくことが重要です。年度末には実績報告書の提出が必要です。計画と実績に大きなズレがある場合、返還が求められる可能性があります。
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計画書を提出した後は実績報告書の提出が必要。書き方・提出期限・注意点を解説。
処遇改善加算 学習ロードマップ
第1章
介護職員等処遇改善加算とは
↓
第2章
算定要件
↓
第3章
加算1と2の違い
↓
第4章
計画書の書き方・提出方法(この記事)
計画書を作成・提出できる状態になる
↓
第5章
計算方法・配分ルール
↓
第6章
実績報告書の作成・提出
▶ 処遇改善加算の実績報告書の書き方(近日公開)
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