【比較表あり】介護職員等処遇改善加算1・2の違いをわかりやすく解説|どちらを選ぶべき?【令和8年度】

この記事は2026年6月時点の情報に基づいています。制度改正により内容が変更される場合があります。最新情報は厚生労働省または所轄の自治体にご確認ください。

「加算1と2の違いがよくわからない」「自分の事業所はどちらを取ればいいのか」という疑問は、処遇改善加算を担当したばかりの方から多く寄せられます。

この記事では違いを説明するだけでなく、「自事業所がどちらを目指すべきか」を判断できることを目的としています。比較表と判断チャートを活用してください。

この記事でわかること

  • 処遇改善加算1と2の違い(取得要件・加算率の比較)
  • 令和8年度から新設された加算Ⅰロ・Ⅱロの位置づけ
  • 自事業所がどちらを目指すべきかの判断基準
  • 判断チャート(YES・NO形式)で自己診断
  • よくある質問(FAQ)7問

【この記事の結論】

  • 処遇改善加算1(加算Ⅰ)と2(加算Ⅱ)は、取得に必要なキャリアパス要件の段階数と加算率が異なります
  • どちらを取得できるかは、事業所の就業規則・研修体制・賃金設計の整備状況によって決まります。
  • この記事では違いの説明にとどまらず、自事業所がどちらを目指すべきか判断できる比較表と判断チャートを提供します。

📊 30秒でわかる!区分1・区分2の違い

「区分1と区分2は何が違うの?」という方のために、まずは重要なポイントを比較表にまとめました。詳しい要件や算定方法は、このあと詳しく解説します。

比較項目区分1(加算Ⅰ)区分2(加算Ⅱ)
加算率区分2より高い区分1より低い
職場環境等要件より多くの要件を満たす必要がある区分1より少ない要件で取得可能
キャリアパス要件満たす必要がある満たす必要がある
月額賃金改善要件対象対象
おすすめの事業所要件を満たし、加算額を最大化したい事業所まず処遇改善加算を取得したい事業所

💡 結論
区分1は加算率が高い一方で、より多くの要件を満たす必要があります。要件を満たせる事業所は区分1がおすすめです。現時点で要件を満たすことが難しい場合は、区分2から取得し、将来的に区分1を目指す方法も有効です。

処遇改善加算1と2とは

介護職員等処遇改善加算は、取得できる区分によって加算率が異なります。一般的に「加算1」と呼ばれるのが加算Ⅰ(イまたはロ)、「加算2」と呼ばれるのが加算Ⅱ(イまたはロ)です。

令和8年6月以降の区分構成は以下のとおりです。

通称正式区分名位置づけ
加算1(上位)加算Ⅰイ・加算Ⅰロ最も要件が厳しく、加算率が高い。キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅴすべてが必要
加算2(中位)加算Ⅱイ・加算Ⅱロ加算1より要件が緩やか。キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳが必要
加算3・4加算Ⅲ・加算Ⅳ基本的な要件のみ。加算率は低め

「加算1と2の違い」を理解することは、自事業所がより高い区分(加算1)を目指せるか、現実的に加算2にとどまるかを判断するための第一歩です。

参照:厚生労働省「介護職員の処遇改善」


処遇改善加算1と2の違い【比較表】

加算1(Ⅰイ)と加算2(Ⅱイ)の主な違いを一覧で整理しました。

比較項目加算1(加算Ⅰイ)加算2(加算Ⅱイ)
加算率高い(加算2より高い)加算1より低い
月額賃金改善要件必要必要
キャリアパス要件Ⅰ
(就業規則への賃金体系の明記)
✅ 必要✅ 必要
キャリアパス要件Ⅱ
(研修計画の策定・実施)
✅ 必要✅ 必要
キャリアパス要件Ⅲ
(経験・資格・評価に応じた昇給の仕組み)
✅ 必要✅ 必要
キャリアパス要件Ⅳ
(年収440万円以上の職員設定)
✅ 必要✅ 必要
キャリアパス要件Ⅴ
(介護福祉士等の配置要件)
✅ 必要❌ 不要
職場環境等要件14項目以上
(生産性向上を含む)
10項目以上

⚠️ 加算1と2の最大の違いはキャリアパス要件Ⅴです。キャリアパス要件Ⅴは「介護福祉士等の一定の配置」に関する要件で、これを満たせるかどうかが加算1取得の分岐点になることが多いです。

令和8年度新設のⅠロ・Ⅱロについて

令和8年6月から、加算Ⅰと加算Ⅱにそれぞれ上乗せ区分「ロ」が新設されました。

区分取得条件加算率
加算Ⅰロ加算Ⅰイの要件+令和8年度特例要件(ケアプランデータ連携システム利用等)加算Ⅰイより高い
加算Ⅱロ加算Ⅱイの要件+令和8年度特例要件加算Ⅱイより高い

令和8年度特例要件の詳細については以下の記事をご参照ください。

処遇改善加算 令和8年度の変更点をわかりやすく解説

💡 介護パートナー POINT

加算1と加算2の差は「キャリアパス要件Ⅴを満たせるか」が最大の分岐点です。要件Ⅴは介護福祉士等の配置状況に関する要件で、サービス提供体制強化加算等の算定実績と連動します。「加算2は取れているが加算1に上がれない」という事業所の多くは、この要件Ⅴで止まっています。まず自事業所の介護福祉士等の配置状況を確認することが第一歩です。


どちらを取得すべきか

「加算1と加算2、どちらを目指すべきか」は、事業所の現在の体制と将来の方針によって異なります。以下の観点で考えてみてください。

状況推奨する方向性
キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳまで整備済みで、介護福祉士等の配置要件も満たせそう加算1(Ⅰイ)を目指す
キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳは整備済みだが、Ⅴはまだ満たせないまず加算2(Ⅱイ)を取得し、体制整備後に加算1へ移行
就業規則の整備・研修計画の策定がまだできていない加算3・4からスタートし、要件を整備しながら段階的に上位を目指す
令和8年度特例要件(ケアプランデータ連携等)を満たせる、または見込める加算Ⅱロまたは加算Ⅰロへの移行も検討

重要なのは「とにかく上の区分を目指す」ことではありません。要件を確実に整備できる体制があるか、実態に合った区分を選ぶことが返還リスクを防ぐための基本です。


【判断チャート】あなたの事業所はどちらを目指すべき?

以下の質問にYES・NOで答えることで、現時点で目指すべき区分の目安が分かります。

Q1. 就業規則に職位・職責等に応じた賃金体系が明記されており、職員に周知されていますか?

NO → まず加算Ⅳを取得し、就業規則の整備から始めましょう(キャリアパス要件Ⅰ)

YES → Q2へ

Q2. 職員の資質向上のための研修計画が文書化され、実施されていますか?

NO → 加算Ⅳを維持しながら研修体制を整備しましょう(キャリアパス要件Ⅱ)

YES → Q3へ

Q3. 経験・資格・評価に応じた昇給の仕組みが就業規則等に定められていますか?

NO → 加算Ⅲが現実的な目標です。昇給の仕組みの整備を進めましょう(キャリアパス要件Ⅲ)

YES → Q4へ

Q4. 改善後の賃金が年額440万円以上となる職員を設定していますか?

NO → 加算Ⅲを維持しながら年収設計を検討しましょう(キャリアパス要件Ⅳ)

YES → Q5へ

Q5. 介護福祉士等の一定の配置に関する要件(キャリアパス要件Ⅴ)を満たしていますか、または満たせる見込みがありますか?

NO → ⭐ 加算2(加算Ⅱイ)が目標です。要件Ⅰ〜Ⅳは整備済みです。まず加算Ⅱイを取得し、体制整備後に加算1を目指しましょう。

YES → Q6へ

Q6. 職場環境等要件の取り組みが14項目以上(生産性向上を含む)実施・記録されていますか?

NO → ⭐ 加算2(加算Ⅱイ)から始めましょう。職場環境等要件の取り組みを14項目以上に増やすことで加算1へ移行できます。

YES → 🎉 加算1(加算Ⅰイ)の取得が見込まれます。所轄自治体に届出の手続きを確認しましょう。さらに令和8年度特例要件を満たせる場合は加算Ⅰロも検討できます。

⚠️ このチャートは判断の目安です。正式な算定可否は所轄の自治体または社会保険労務士にご確認ください。

チャートで判断が難しかった場合や、「加算1を目指したいが何から始めればよいかわからない」という場合は、お気軽にお問い合わせください。内容を確認し、必要に応じて処遇改善加算に詳しい社会保険労務士などの専門家をご紹介しています。

お問い合わせはこちら


よくある質問(FAQ)

Q1. 加算1と加算2では、受け取れる金額はどのくらい違いますか?

A. 加算1は加算2より高い加算率が設定されています。ただし、加算率はサービス種別によって異なるため、具体的な差額は事業所ごとに変わります。最新の加算率は、厚生労働省の告示または所轄自治体の資料をご確認ください。

Q2. 今は加算2ですが、加算1に変更するにはどうすればよいですか?

A. キャリアパス要件Ⅴと職場環境等要件14項目以上を満たした上で、所轄の自治体に変更届を提出します。変更届の提出期限は自治体によって異なるため、事前に確認することをお勧めします。また、就業規則の改定・研修計画の見直しが必要になる場合があります。

Q3. 加算2から加算1へ変更する際に、一番難しい要件はどれですか?

A. 多くの事業所でキャリアパス要件Ⅴが最大のハードルになります。この要件は介護福祉士等の配置状況に関連しており、サービス提供体制強化加算等の算定実績と連動します。具体的な要件の内容は所轄自治体または社労士に確認することをお勧めします。

Q4. 加算1・2・3・4のうち、取得率が高いのはどの区分ですか?

A. 厚生労働省の統計では加算Ⅰ(加算1)の取得率が最も高く、多くの介護サービス事業所が上位区分を取得しています。ただし、サービス種別や地域によって差があります。

Q5. 加算2を取得しているのに、職員への支給額が少ない気がします。なぜですか?

A. 加算として事業所が受け取る総額は「介護報酬総額×加算率」で決まります。職員への配分額は事業所が定める配分ルールによるため、加算率だけでなく配分設計も重要です。配分ルールが適切かどうかは、計画書の記載内容と実際の支給内容を照合して確認してください。

Q6. 加算1を取得している事業所が、要件を満たせなくなった場合はどうなりますか?

A. 要件を満たせなくなった場合は変更届の提出が必要です。要件を満たしていない状態で上位の加算を算定し続けた場合、加算の返還を求められる可能性があります。区分変更を検討している場合は早めに所轄自治体に相談することをお勧めします。

Q7. 令和8年度特例要件を使うと、加算2から加算1に上がれますか?

A. 令和8年度特例要件はキャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳの一部について、令和8年度中に対応する誓約を前提に充足とみなす措置です。ただし特例要件で加算Ⅱイから加算Ⅰイへ移行できるかどうかは、キャリアパス要件Ⅴの充足状況にも依存します。令和8年度特例要件を活用できるかどうかは所轄自治体に確認してください。


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まとめ

  • 加算1(Ⅰイ)と加算2(Ⅱイ)の最大の違いはキャリアパス要件Ⅴと職場環境等要件の取り組み数
  • 加算1はキャリアパス要件Ⅰ〜Ⅴすべてと職場環境等要件14項目以上が必要
  • 加算2はキャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳと職場環境等要件10項目以上で取得可能
  • どちらを目指すかは「要件を確実に整備できるか」を基準に判断する
  • 令和8年6月からはⅠロ・Ⅱロが新設され、特例要件を満たせばさらに高い区分も狙える
  • 判断が難しい場合は社労士への相談が有効

処遇改善加算 学習ロードマップ

介護職員等処遇改善加算とは

制度の全体像・仕組み・流れを理解する

算定要件

どの区分を取得できるか、要件を確認・診断する

加算1と2の違い(この記事)

自事業所がどちらを目指すべきかを判断する

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免責事項

本記事は、厚生労働省や各自治体等の公的情報をもとに作成しています。判断チャートの結果はあくまでも目安であり、正式な算定可否を保証するものではありません。制度の詳細や最新情報は、所轄の自治体・指定権者にご確認ください。本記事の内容は作成時点の情報であり、制度改正により変更される場合があります。

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