【比較表あり】介護職員等処遇改善加算1・2の違いをわかりやすく解説|どちらを選ぶべき?【令和8年度】

介護パートナー編集部作成|令和8年度(2026年度)対応

一般に「処遇改善加算1・2」と呼ばれる区分は、令和8年6月以降、加算Ⅰイ・Ⅰロと加算Ⅱイ・Ⅱロに分かれます。ⅠとⅡの中心的な違いは、キャリアパス要件Ⅴを満たすかです。ただし、実際の取得可否は月額賃金改善要件や職場環境等要件なども含めて判断します。

3秒で結論
  • 加算Ⅰはキャリアパス要件Ⅰ〜Ⅴ、加算ⅡはⅠ〜Ⅳが基本です。
  • ⅠイとⅡイの最大の違いは、サービス別に定められたキャリアパス要件Ⅴです。
  • ⅠとⅡの職場環境等要件は、どちらも上位区分の同じ水準です。
  • Ⅰロ・Ⅱロは、対応するイ区分の要件に令和8年度特例要件を加えた区分です。
  • 要件Ⅴを満たせる事業所は加算Ⅰ、満たせない事業所は加算Ⅱを軸に検討します。
対象時期
この記事は主に令和8年6月以降の制度を扱います。令和8年4月・5月は区分名称や加算率等が異なります。また、訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援・介護予防支援など、令和8年6月から新たに対象となったサービスは区分構成が異なるため、この記事のⅠ・Ⅱ比較をそのまま当てはめないでください。

この記事でわかること

  • 処遇改善加算ⅠとⅡの違い
  • Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロの関係
  • 加算Ⅰを取得するために追加で必要な要件
  • 自事業所がⅠ・Ⅱのどちらを目指すべきか
  • 上位区分へ変更するときに確認する書類と手続き

30秒でわかる|処遇改善加算1と2の違い

比較項目加算Ⅰイ加算Ⅱイ
位置づけ加算Ⅱイより上位加算Ⅰイの一つ下
月額賃金改善要件必要必要
キャリアパス要件Ⅰ〜ⅤⅠ〜Ⅳ
職場環境等要件上位区分の水準上位区分の水準
主な違いキャリアパス要件Ⅴが必要キャリアパス要件Ⅴは不要
加算率同一サービスではⅡイより高い同一サービスではⅠイより低い
介護パートナーPOINT
元の制度説明で使われがちな「加算Ⅰは職場環境等要件14項目、加算Ⅱは10項目」という分け方は適切ではありません。令和8年度のⅠ・Ⅱは職場環境等要件が同じ上位水準であり、ⅠとⅡを分ける中心はキャリアパス要件Ⅴです。

加算Ⅰ・Ⅱとイ・ロの関係

加算Ⅰイ

月額賃金改善要件、キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅴ、上位水準の職場環境等要件などを満たす基本の上位区分です。

加算Ⅰロ

加算Ⅰイの要件に加えて、令和8年度特例要件を満たす区分です。

加算Ⅱイ

キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳまでが基本で、要件Ⅴを満たさなくても算定できます。

加算Ⅱロ

加算Ⅱイの要件に加えて、令和8年度特例要件を満たす区分です。

イ・ロは「通常版と簡易版」ではありません
ロ区分は、対応するイ区分に令和8年度特例要件を追加した区分です。具体的な加算率はサービス種別によって異なるため、厚生労働省の令和8年6月以降の加算率表を確認してください。

最大の違いはキャリアパス要件Ⅴ

加算Ⅰイ・Ⅰロではキャリアパス要件Ⅴが必要ですが、加算Ⅱイ・Ⅱロでは必要ありません。要件Ⅴは、経験・技能のある介護職員を一定割合以上配置していることを、サービス別に定められた体制加算等の届出によって確認する要件です。

サービスの例要件Ⅴの確認例注意点
訪問介護特定事業所加算等、通知で定められた要件を確認介護福祉士等の割合など、該当加算の算定要件を確認
通所・施設系サービス提供体制強化加算等の所定区分を確認サービスごとに対象となる体制加算・区分が異なる
該当する体制加算がない場合通知で定められた代替要件の有無を確認名称だけで判断せず、サービス別の公式表を確認

要件Ⅴを含む詳しい条件は「処遇改善加算のキャリアパス要件」をご覧ください。

職場環境等要件はⅠとⅡで同じ水準

加算Ⅰ・Ⅱでは、生産性向上以外の5区分について区分ごとに2以上、生産性向上区分について3以上の取組を行い、指定された項目を含めることが基本です。さらに、実施した取組を外部から見える形で公表します。

したがって、「加算Ⅰは14項目、加算Ⅱは10項目」と単純な合計数だけで区分を判定することはできません。カテゴリ別の必要数、必須項目、公表要件、生産性向上推進体制加算による取扱いなどを確認します。

具体的な取組と記録方法は「処遇改善加算の職場環境等要件」で解説しています。

上位区分へ移行できるか確認したい方へ

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Ⅰロ・Ⅱロで必要な令和8年度特例要件

Ⅰロ・Ⅱロは、対応するイ区分の要件に加えて、生産性向上や協働化に関する令和8年度特例要件を満たす区分です。利用できる取組はサービス種別によって異なります。

取組概要主な注意点
ケアプランデータ連携システム対象となる訪問・通所サービス等で利用申請時に利用を誓約できる場合があるが、期限までの実施と実績報告が必要
生産性向上推進体制加算Ⅰ・Ⅱ対象となる施設サービス等で算定対象サービスと算定区分を確認
社会福祉連携推進法人事業所等が属する法人が同法人に所属法人の所属関係を確認
特例要件はキャリアパス要件Ⅴの代わりではありません
Ⅰロを算定するにはⅠイの要件が基礎となるため、キャリアパス要件Ⅴも必要です。特例要件だけを満たしても、ⅡからⅠへ自動的に上がれるわけではありません。

どちらを取得すべきか

現在の状況検討する区分次の対応
要件Ⅰ〜Ⅳに加えて、サービス別の要件Ⅴも満たすⅠイ職場環境等要件、月額賃金改善要件、届出を最終確認
要件Ⅰ〜Ⅳは満たすが、要件Ⅴを満たさないⅡイ要件Ⅴに対応する体制加算等を取得できるか検討
Ⅰイの要件と令和8年度特例要件を満たすⅠロサービス別加算率と特例要件の実績報告を確認
Ⅱイの要件と令和8年度特例要件を満たすⅡロサービス別加算率と特例要件の実績報告を確認
要件Ⅰ〜Ⅳの一部を満たさないⅢ・Ⅳまたは特例措置不足要件と令和8年度の誓約措置を確認

上位区分ほど加算率は高くなりますが、取れる区分ではなく、継続して要件を満たし、根拠資料を残せる区分を選ぶことが重要です。

判断チャート|加算Ⅰ・Ⅱのどちらを目指す?

  1. 月額賃金改善要件を満たしていますか?
    満たさない場合は、まず月額賃金の支給設計を見直します。
  2. キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳを満たしていますか?
    満たさない場合、現状ではⅠ・Ⅱ以外の区分または令和8年度の誓約措置を検討します。
  3. 加算Ⅰ・Ⅱに必要な職場環境等要件を満たしていますか?
    カテゴリ別の取組数、指定項目、公表まで確認します。
  4. サービス別のキャリアパス要件Ⅴを満たしていますか?
    YESなら加算Ⅰ、NOなら加算Ⅱが基本的な検討対象です。
  5. 令和8年度特例要件を満たしていますか?
    YESなら対応するロ区分、NOならイ区分を検討します。
  6. 計画書・体制届・規程・運用が一致していますか?
    すべて確認できた段階で、指定権者へ算定手続きを確認します。
このチャートだけで算定を開始しないでください
区分判定には、サービス別の加算率表、キャリアパス要件Ⅴの対象加算、職場環境等要件、提出済みの体制届等の確認が必要です。

加算Ⅱから加算Ⅰへ変更する手順

  1. 現在のⅡ区分の要件を再確認する
    要件Ⅰ〜Ⅳ、職場環境等要件、月額賃金改善要件に不足がないか確認します。
  2. キャリアパス要件Ⅴを確認する
    サービス別に必要な体制加算等と、介護福祉士等の配置状況を確認します。
  3. 加算率差と賃金改善額を試算する
    上位移行で増える加算額以上の新たな賃金改善を設計します。
  4. 計画書・規程・職員周知を見直す
    区分変更後の対象者、支給方法、賃金改善額を一致させます。
  5. 体制に関する届出と変更届の要否を確認する
    算定区分変更に必要な書類と期限を指定権者へ確認します。
  6. 変更後の実績を継続管理する
    加算収入、賃金改善、要件Ⅴの体制、職場環境の取組を記録します。

年度途中の手続きは「処遇改善加算は年度途中で変更できる?」で詳しく整理しています。

上位区分への移行チェックリスト

  • 算定サービスと令和8年6月以降の区分を確認した
  • キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳの根拠資料がある
  • キャリアパス要件Ⅴに対応する体制加算等を確認した
  • 要件Ⅴの人員割合を継続して満たせる
  • 職場環境等要件をカテゴリ別に確認した
  • 月額賃金改善要件を満たしている
  • 上位移行による加算増加額を試算した
  • 増加額以上の新たな賃金改善を設計した
  • 就業規則・給与規程と支給方法が一致している
  • 計画書と体制に関する届出の変更要否を確認した
  • 職員への周知方法と記録を用意した
  • 指定権者の提出期限・方法を確認した

よくある質問

加算ⅠとⅡの最大の違いは何ですか?
キャリアパス要件Ⅴです。加算Ⅰでは要件Ⅰ〜Ⅴ、加算Ⅱでは要件Ⅰ〜Ⅳが基本です。ただし、月額賃金改善要件や職場環境等要件なども満たす必要があります。
加算ⅠとⅡでは職場環境等要件の数が違いますか?
令和8年度のⅠ・Ⅱは同じ上位水準です。「Ⅰは14項目、Ⅱは10項目」と単純に分けず、カテゴリ別の必要数、指定項目、公表要件を確認してください。
加算ⅡからⅠへ変更するには何が必要ですか?
まずキャリアパス要件Ⅴに対応するサービス別の体制加算等を確認します。そのうえで加算増加額に対応する賃金改善、計画書、体制に関する届出等を整えます。
Ⅰロ・ⅡロはⅠイ・Ⅱイより上位ですか?
ロ区分は、対応するイ区分の要件に令和8年度特例要件を加えた区分です。加算率の具体的な差は、算定するサービスの公式表で確認してください。
特例要件を満たせばⅡからⅠへ上がれますか?
特例要件だけでは上がれません。ⅠロはⅠイの要件が基礎になるため、キャリアパス要件Ⅴを含むⅠの要件を満たす必要があります。
年額440万円以上の職員がいれば加算Ⅱを取れますか?
それだけでは取得できません。年額440万円要件はキャリアパス要件Ⅳの一部であり、要件Ⅰ〜Ⅲ、月額賃金改善要件、職場環境等要件、届出等も確認します。
要件Ⅴを満たせなくなった場合はどうしますか?
加算Ⅰを継続できない可能性があります。算定区分の変更、体制届、計画書の変更等の要否を、早めに指定権者へ確認してください。
加算Ⅰの取得率が最も高いですか?
取得状況は調査時点やサービス種別で異なります。過去の統計を現在の取得率として断定せず、厚生労働省が公表する最新の調査資料を確認してください。

まとめ

  • 加算ⅠとⅡの中心的な違いはキャリアパス要件Ⅴ
  • 加算Ⅰは要件Ⅰ〜Ⅴ、加算Ⅱは要件Ⅰ〜Ⅳが基本
  • 職場環境等要件はⅠ・Ⅱで同じ上位水準
  • ロ区分は対応するイ区分に令和8年度特例要件を追加した区分
  • 特例要件だけでⅡからⅠへ移行できるわけではない
  • 上位移行では増加する加算額に対応する賃金改善と届出も確認する

加算Ⅰへ移行できるか判断が難しい方へ

体制加算、職員配置、給与規程、賃金改善計画を整理し、指定権者または処遇改善加算に詳しい社会保険労務士へ確認してください。

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処遇改善加算 学習ロードマップ

  1. 制度の全体像を理解する
    対象、仕組み、申請から報告までを確認します。
  2. 算定要件を確認する
    取得できる区分と不足要件を整理します。
  3. 加算ⅠとⅡを比較する(この記事)
    要件Ⅴを中心に上位移行の可否を判断します。
  4. 計画書を作成する
    区分、賃金改善方法、対象者、取組内容を反映します。
  5. 加算額を計算する・配分を決める
    加算収入見込みと賃金改善計画を照合します。
  6. 実績報告書を作成する
    加算収入と賃金改善額を集計して報告します。

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参考にした公式情報

免責事項
本記事は、公表されている国の資料に基づく一般的な情報提供です。判断チャートは目安であり、個別の算定可否、体制加算、届出書類、提出期限については指定権者または社会保険労務士等へ確認してください。

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